jesh-何ものでもない自分を楽しく生きる-

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「生きがいなしで生きていてはいけないと思っていたんです」

取材中、デザイナーの丸山さんがそんな強い言葉を発したので少し意外に感じた。

いつもニコニコしていて、ふわふわしているような話し方をするから

「生きていてはいけないと思った」

という強い言葉がひっかかったのだ。

 

「どうしてそんなふうに思っていたんですか?」

と聞いていく中で丸山さんが発する言葉のシンプルだけど強い覚悟が見えてきた。

 

 

生きがいを見つける

丸山さんがファッションに興味を持ったのは高校生の時だった。

「元々とてもネガティブで、見た目も変だし、声も変だし、対面で緊張する性格でいいところなんてひとつもないけど服なら自分を変えられると思いました」

顔の形は急に変えられないが、洋服なら自分を変えられると思いファッションにのめり込みはじめて選んだ就職も販売員だった。

対面が苦手だった自分を変えたいという思いもあり挑戦したが仕事に慣れず日々涙を流していたそうだ。

 

それでももがきながら「生きがい」を見つけようと必死だった。

自分の生きている意味を見つけなければいけない。そんな想いを持って必死に前を向いていた。

上司から「生きがいを見つけるのはしんどいから、みんなそんなに力入れてないよ」と言われたこともあったそうだ。

それでも生きがいを見つけたい、見つけなくては生きている意味がない。

そんなふうに思って生きていた。

 

*  *  *  *  * 

 

どれだけの人が同じ思いかわからないが、僕はその話を聞いて深く共感した。

10代の時、自分が生きている意味とはなんだろうかを模索していたしその思いがどんどんと独り歩きして「何者かになりたい」ではなく「何者でもないなら死んだ方がマシだ」とすら思う時期があった。

今考えると「若かったなぁ」と思う程度なのだけれど、当時の自分は本気でそう思っていて、それが人生の全てなのではないかと感じていた。

 

丸山さんに「なぜそんなにも生きがいを追っていたんですか?」と聞いたが「なぜなんでしょうか」と笑っていた。

そうして日々悪戦苦闘している時、友人がスクールに通って服作りをしていると聞いて「自分も通ってみたい」と思ったそうだ。

 

元々販売をしながら「もっとこんな服だったら可愛いのに」と感じることが多かったし、何よりもそれが「生きがい」につながるのではないかという予感があり没頭した。

働きながらスクールで服作りを学んでいたある日、職場で新しいお店を出すことになり社長に頼み込んで自分が作った服を置かせてもらったら予想以上に売れたそうだ。

それまではブランドを運営しようと考えていたわけではなかったが丸山さんの中で確実に「jesh」が始まろうとしていた。

 ハンドメイド時代に作っていた洋服

 

 

等身大であること

丸山さんはとても等身大なデザイナーだと感じる。

そう強く感じさせる出来事が商品企画の際の値決めに現れていた。

デザイナーには2つのステップがあると思っている、

最初は「高くては売れない」とデザインの未熟さや認知度の低さを理由に値段を下げようとする。

その後ある程度自信がついてきてお客様の声を聞いていくうちに「安売りはしない」と値段を上げようとする。

もちろん全てのブランドに共通することではないが思考のプロセスとしてはこうなることが多いと思う。

 

例によって丸山さんも「もう少し安くしたいと思います」と言っていたが、僕にとっては通常運転だったから特に気に留めずにいた。

しかし少し話をしていると別の理由が見えてきたのである。

 

「私は多分ごく平均の少し下くらいの経済状況の家庭に生まれました。

学校もきちんと行かせてもらってとても感謝しているし不満もありません。

でもラグジュアリーブランドの洋服は買えなくて、安い洋服だと可愛いものが少なくて、だから手が届く価格でとても可愛い洋服を出したいと思うんです」

と伝えてくれた。

 

とても冷静な判断をしていると思った。もちろん計算からそうなるものではなく等身大で感じていることなのだろうが自分自身の育ってきた環境を冷静に捉え、なおかつ背伸びせず感情を物作りに活かしている。

丸山さんの言葉が強く感じる理由はきっとそこなんだろう。

 

「等身大であること」

人は誰しも現在の自分に対して暗示をかけている「やればできる」というポジティブなものから「どうせ無理だ」というネガティブなものもある。

その中で理想とする自分や、逆になりたくない自分の姿を頭で思い描き人は発言する。だからその人の本心と発言には±数%の差異が生まれてくる。

 

しかし丸山さんの場合はそうではなかった。

本当に思ったことを発言しているし自分の経験をしっかりと受け止めありのままを伝えようとする。

だから言葉の1つ1つが強いのだと思った。

 

 

joyとexcitingなブランド

丸山さんのとても魅力的な等身大な素直さはブランドのコンセプトにも反映されている。

jesh(ジェッシュ)は joy、excitingを語源に shをつけて 「よろこび、わくわくするさま」 という意味を込めています。 人生は、時間は、有限であり 心身最大の敵は ストレスであるにも関わらず 我慢を美徳とする世の中に よろこび、わくわくする時間を 増やし過ごす為に。 をコンセプトに 着て、わくわくするデザイン 着て、ストレスを感じにくい着心地 を意識した洋服を展開しています。

 

 ホームページにはこう書かれている。

一見するとよくあるような「洋服でワクワクしてもらいたい」みたいなふうにも見えるのだけれど「どうしてこのコンセプトなんですか?」と聞いたら10秒くらいの沈黙の後こう話してくれた。

 

「実は販売員をしていた時の同僚が30代で命を落としてしまったり、友人も同じような経験をしていたりして「いつ命がなくなっても後悔しないよう」と本当に思っているんです」

元々素直に心に響く人だから余計にその思いが心を突き刺した。

よくあるコンセプトのように見えるけれど、その通りなのだ。

人はいつか命を落とす、それがいつか数十年後の何かしらのタイミングで。。。とふわふわと明日があることを疑わずにいる。

しかしそうではない、今日を全力でワクワク、ドキドキと過ごせるかどうかを意識するべきなのだ。

当たり前のそんな事実を丸山さんは本気で考えていて、それを本気で実行しようとしている。

それが「jesh」というブランドなのだ。

 

この話を聞いてそれまでの点がつながって線になってきたような気がした。

 

今の自分に妥協せず叶えたいワクワクやドキドキに素直に行動する。

その結果ファッションデザイナーという職業に出会いその思いを服に乗せお客様に届けているのだ。

その思いは価格にも反映し「誰かしか買えないもの」ではなく「誰でも買えるもの」として表現し誰かの人生をワクワク、ドキドキさせようと日々考えている。

それは今日という時間を大切に後悔しないように過ごしたいと思いなのだ。

 

そんな丸山さんに「ファッションデザイナーという生きがいを見つけましたね」と言うと「んーどうでしょう、子供と出会えたことが生きがいですね」と笑ってくれた。

 

「生きがいを見つけなくてはいけない」

そう思いながら生きていた丸山さんが、人生を夢中になって生きているうちに、とても大切な生きがいを見つけ、後悔しない人生を歩んでいてそして服作りを通じてその「jesh」な思いは誰かに伝わっていくのだ。

 

デザインの参考にしている宝物の古着たち

 

 

これからのjesh

そんな等身大なブランドのjeshの丸山さんに「今後やりたいこととかありますか?」と聞いたら

 

「ママがゆっくり買い物できるように子供を預かれるような受注会やママ限定で割引ができる販売会も面白いですね!」

 と教えてくれた。

今後のjeshが非常に楽しみである。

 

さてそんなjeshの商品をARATASHIでも取扱させていただいています。

 

 https://aratashifashion.com/products/jesh

 

【予約期間】

2022.3.25(金)20:00〜2022.4.3(日)23:59

※2022.6月上旬〜6月中旬頃 発送予定

 

〈jesh〉

  W Face Flower Jacquard Dress

 

ぜひお手に取ってみてくださいね。