nagisa-時間を泳ぐような洋服作りを-

nagisa-時間を泳ぐような洋服作りを-

「子供の頃からアンティークが好きなお母さんの影響で古いものが好きでした」

前日に新しいコレクションの撮影を終えたばかりのnagisaのデザイナーの渚さんは語ってくれた。

元々ミシンが苦手だったという渚さんが服作りを始めたルーツはお母さんがきっかけで早い時期に「好き」を見つけたことにある。

直線縫いでも糸が絡まってしまうくらいにミシンが苦手だったがある日うまく縫えたのがとても嬉しくミシンにのめり込んでいった。

作る洋服はどれも幼少期に感じた「好き」を表現するもの達だった。

まだお小遣い制だった時にお小遣いを貯めて買ったアンティークボタンを「いつか自分が作った服につけよう」と思っていたそうだ。

実際に服作りを始めて自分が集めた宝物のボタンは自分が作った洋服の一部となっていった。

 

渚さんってどんな洋服を作りたいんですか?と少し答えにくいことを聞いてみたら「意図せずその人の生活によって変化するもの」とすぐに答えてくれた。

僕はすごく面白いと思った、

というのも今も昔も古着ブームがある時はいつでも「誰かの生活によってすでに変化したもの」だとか新品であっても「古くなったように見せているもの」が流通しているように感じる。

本質はどこにあるのかと考えると「時は金なり」という言葉の通り本来は新品で買って自分の生活によって古くなっていく過程に価値があって、それを着ることで自分を表現できる、でもブームはすぐに去ってしまうものだから短期間でその表現をするために「古く見えるもの」が評価されるようになってきたのだ。

nagisaというブランドはその本質を無意識でついているんだろう、幼少期の原体験から意図せずその人の生活の一部になり、寄り添い、変化していく洋服を作っている。

 

例えば10年前に買った洋服と5年前に買った洋服そして今年買った洋服がクローゼットに集められていく。

10年前の洋服は時間経過とともに体や動きの癖、生活感、ハプニングによる汚れ、いろんな歴史が刻まれているし5年前の洋服は変化の途中だろうし今年買ったものがまだ新しい。

そんな洋服が組み合わされて自分を形成していると思うととてもワクワクする。

 

「もちろん流行に左右されないものを目指しているんですよね?」と聞いてみたら

「流行には左右されないけれど、日々気分って変わるじゃないですか?時代ではなく自分の好みが変わりますよね」

と答えてくれたので「好みが変わったらnagisaの服はクローゼットから外れてしまうんじゃないですか?」とまたずるい質問をした。

「好みが変わって、例えばその時すでにnagisaのブランドネームが外れていたとしても古着として流通して、また誰かのクローゼットに入って誰かを喜ばせることができれば嬉しいです」

と話してくれた。

nagisaの洋服は時間を泳ぐような洋服だなと感じた。

確かに「ものは大切にしましょう」という教育により日本人は同じものを使い続けることに美学を感じている。

しかし日々歳を重ねるし、時代も変わっていく、好みも変わるし流行る音楽も変わっていく、出会う人も変わって友人も変わって好きだと思っていたものが好きじゃなくなったり、まさかこんなと思うものを好きになったりする。

そんな時に本当に価値のあるものは自分の「好き」ではなかったとしても誰かの「好き」として時間や場所を軽やかに泳いで誰かのクローゼットに収まっていく。

そして年代や場所をごちゃ混ぜにした自分だけのクローゼットになって誰かを喜ばせる。

 

そのサイクルが美しいと感じるルーツは幼少期に見たアンティークの世界なのだろう。

 

そんな話を真っ直ぐに語る渚さんをみて僕は「羨ましい」と感じた。

というのも僕は中学時代とても洋服が好きな少年だったがある日知らない人に「変な服」って言われたことがあり、その日から自分で洋服を選ぶのをやめてしまったのだ。

ファッション関係の仕事を始めてからもその呪縛は続いていて、本当に最近(1年くらい前)から自分の好きな服を買えるようになったばかりであった。

だから自分の「好き」をしっかり表現できる渚さんが羨ましくてそうお伝えし、こうも伝えた「綺麗な洋服を着たくても「私なんかが着てもいいのかな?」とか「似合わないんじゃないか」とか思う人もたくさんいると思います、僕のような経験はなくても年齢や状況によって着たいけど着れなかったり挑戦できない人っているかもしれません、だからnagisaというブランドはとてもキラキラして見えます」

 

すると少し考えてこう話してくれた。

「実は最近まで自分よりも若い人に似合うかわいいような服を作ってました、でも自分が少しずつ歳を重ねてきて変化を感じるようになってきました、だから今は自分が着れる服を作っていてディティールや色、丈などを意識していて10年後にもクローゼットにあるような服作りをしています」

 

今回nagisaの取材をさせていただいて感じたのは時間に対する価値である。

古いものが美しいのではなく、古くなる過程やそれを美しいと感じる感性が美しいのだろう、nagisaの洋服も今の自分に似合うだけではなく、10年後も好きでいられるように設計されデザイナーもそう望んでいる。

しかしもし10年の間に自分がいろんなステージに進んで変化したなら、他の誰かの好きに変わるのもまた望みである。

nagisaの洋服は本当に時間を泳いでいるなぁと感じたのである。

 

そんなnagisaの22SSコレクションの洋服は新-ARATASHI-での先行受注を行います。

またARATASHI限定カラーもラインナップされています。

受注期間は

2022年1月8日-18日 @ 新-ARATASHI-

https://aratashifashion.com

2022年1月19-30日 @ nagisa online store

https://nagisa-tokyo.shop

にて開催されます。

期間中の1月12日(時間未定)に新-ARATASHI-のインスタグラムにて商品を紹介するインスタライブ(後日IGTVでも発表)を行います。

https://www.instagram.com/aratashi.fashion/

nagisaの22SSコレクションが皆さんの好きになって、クローゼットで新しい洋服と出会えますように。

 

 

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